仕組債ガイド——種類・仕組み・使いどころの全体像

仕組債オプションなどのデリバティブを債券の形に組み込んだ商品です。高い利率は、何らかのリスクを引き受けた対価として支払われています。 詳しく見る →とは、デリバティブ株価・金利・為替などから価値が派生する金融取引の総称です(オプション・先物・スワップなど)。仕組債の中身はこれです。オプション「あらかじめ決めた価格で買える/売れる権利」を売買する取引です。権利の代金をプレミアムと呼びます。スワップ金利や通貨のキャッシュフローを交換する取引です。リパッケージ債や為替ヘッジの裏側で使われています。)を債券の形に包み込み、リスクとリターンをオーダーメイドした商品です。機関投資家生命保険会社・銀行・年金基金など、大量の資金を運用するプロの投資家のことです。債券市場の売買の大部分を占めます。の世界では、相場観の表現やキャッシュフローお金の受け取り・支払いの流れのことです。債券なら、定期的な利子と満期の償還金がこれにあたります。の調整のための日常的な道具として使われてきました。一方、個人向けの販売では説明不足が問題となり、2022年には金融庁の検証と大手証券の販売停止に至った経緯があります。

当サイトの立場は「全否定」でも「推奨」でもありません。どの商品も分解すれば「何のリスクを引き受けて、いくら受け取るか」という取引に還元できます。分解して、対価が妥当かを自分で判断する——そのための見取り図がこのページです。

仕組債の3系統——何を参照しているかで分ける

系統代表商品クーポンの源泉合う人
株価参照型日経平均リンク債、EB債株価下落リスクの引き受け(プットの売り)下落保険の売り手になる自覚がある人
金利・為替系デュアルカレンシー債、PRDC、リバースフローター、CMS連動債金利・為替の相場観への賭け明確な相場観と長い拘束期間を許容できる人
クレジット系CLN、リパッケージ債(SBリパ・CBリパ)特定の企業・国の信用リスクの引き受け発行体の信用力を自分で分析できる人

系統別の解説記事

系統を問わず効く「共通の読み方」

検討してよい人・やめておくべき人

検討してよいのは、①その商品が「何のリスクを売って対価を得ているか」を自分の言葉で説明でき、②相場観が外れた場合に資金が何年拘束されるかを許容でき、③満期まで使う予定のない余裕資金で買える人です。この3つが揃うなら、仕組債は相場観やリスク許容度を精密に表現できる道具になり得ます。

やめておくべきなのは、元本の安全を目的にしている人です。仕組債はどの系統であれ「安全資産に高い利回りを足す魔法」ではなく、リスクを引き受けて対価を得る商品です。元本重視なら個人向け国債、円金利より上を狙うなら国内の個人向け社債(発行履歴データベース)、金利水準そのものを上げたいなら外貨建て債券——リスクの種類ごとに素直な選択肢があります。

ただし、一つだけ例外を挙げておきます。クレジット系のうち、投資適格の発行体債券を発行してお金を借りる企業・政府・機関のことです。債券投資は「発行体にお金を貸す」ことにあたります。を参照する円建てのプレーンなリパッケージ債・CLN特定の企業の信用リスクを引き受ける代わりに、高めの利子を受け取る債券です。経済的にはCDSという保険の「売り手」に回る取引です。 詳しく見る →は、取っているリスクの中身が普通の社債投資と同種です。株価や為替の賭けを含まず、「発行体が約束どおり払うか」だけを見る——これは当サイトが扱ってきた個人向け社債の延長線上にあり、機関投資家が満期保有前提で普通に組み入れている系統です。SPC特定の取引のためだけに設立される法人です。リパッケージ債やCLNの発行主体として使われます。 詳しく見る →スワップ相手方取引の相手方(の金融機関)のことです。相手が破綻すると取引自体が毀損するリスクを、カウンターパーティ・リスクと呼びます。といった固有の確認事項はありますが、仕組債という括りで一律に敬遠するのはもったいない、というのが実務経験者としての当サイトの見解です。詳しくはクレジット系仕組債の記事をご覧ください。