北陸電力の個人向け社債(円建て)の発行履歴を、当サイトの発行履歴データベースから発行体債券を発行してお金を借りる企業・政府・機関のことです。債券投資は「発行体にお金を貸す」ことにあたります。別にまとめたページです。掲載データは2020年以降の6回分。回号にリンクがある銘柄は、運営者による「プロの視点」付きの個別解説があります。
発行体分析:北陸電力の信用力と発行戦略
北陸電力は供給エリアが最も小さい大手電力の一つで、志賀原発は2011年以降停止が続き、2024年の能登半島地震では変圧器損傷など設備被害も受けました。原子力の再稼働時期が最も見通しにくい会社の一つであり、石炭火力への依存度が高い電源構成は、燃料価格と脱炭素規制の両方に感応します。
一方で北陸は水力資源が豊富で、低廉な水力は同社の伝統的な強みです。アルミ・化学など電力多消費型産業の顧客基盤も安定需要の下支えになっています。財務は2022年危機からの回復途上で、電力6社の中では回復の歩みが慎重な部類です。
【見るべきポイント】①志賀の審査・復旧の進捗(長期戦を前提に)。②石炭火力への規制強化の影響。③発行条件は他電力と横並びで出ることが多いものの、ファンダメンタルズの差を考えると、同条件なら再稼働済みの電力を選ぶ、という比較判断が成り立ちます。
原発の未稼働がなぜ財務回復の遅れに直結するのか——燃料費構造の機序は電力債の読み方で解説しています。
📊 最新データ(当サイト集計・2026年3月(志賀原発の審査状況)時点)
- 本ページの長期テーマである志賀2号機: 現在も新規制基準の審査中で、再稼働の時期は見通せていません(断層評価等の審査が継続)。全国で再稼働済みが15基まで積み上がるなか、同社は未稼働のままです
- このため電力6社の中では財務回復の歩みが最も慎重な部類、という本ページの位置づけは現在も変わっていません。審査の進展が同社債の相対評価を変える最大の材料です
この欄は決算にあわせて当サイトが更新します(最終更新: 2026-09-03)。
発行履歴
| 条件決定 | 回号 | 年限 | 利率(%) | 国債利回り | スプレッド | 発行額 | 格付 | 主幹事 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2025/11/28 | 376 | 5 | 1.70 | 1.326 | +0.37 | 50億円 | A+(R) | みずほ |
| 2024/12/06 | 371 | 5 | 1.08 | 0.725 | +0.36 | 50億円 | A+(R) | 野村 |
| 2023/12/01 | 365 | 5 | 0.69 | 0.281 | +0.41 | 50億円 | A+(R) | 大和 |
| 2022/12/02 | 363 | 4 | 0.47 | 0.043 | +0.43 | 100億円 | A+(R) | 日興 |
| 2021/12/03 | 348 | 4 | 0.14 | -0.110 | +0.25 | 100億円 | A+(R) | みずほ |
| 2020/11/27 | 341 | 4 | 0.150 | -0.141 | +0.29 | 100億円 | A+(R) | 野村 |
利率はどう動いてきたか
当サイト集計の範囲では、2020年の0.15%台から直近2025年の1.70%まで、市場金利の上昇を反映して条件が切り上がってきました。年限や商品性(普通社債かハイブリッドか)で水準は大きく異なるため、比較の際は同じ年限・同じ商品類型で見ることが重要です。市場全体の水準は平均利率の推移(全銘柄データ)を参照してください。
次の発行はいつか——償還・コールのスケジュールから読む
社債の新規発行のタイミングを読む実務的な手がかりの一つが、既発債すでに発行され、市場で流通している債券です。証券会社の在庫から、募集を待たずにいつでも購入できます。 詳しく見る →の償還満期を迎えて、額面のお金が投資家に払い戻されることです。・初回コールに伴う借換(リファイナンス)需要です。既発債が満期を迎える(またはコールされる)時期の前後は、その資金を手当てするための新発債これから新しく発行される債券です。募集期間中に申し込み、通常は額面どおりの価格で購入します。が出やすくなります。
ただし、ここで大事な留保があります。発行体の資金調達は、個人向け債だけでなく機関投資家生命保険会社・銀行・年金基金など、大量の資金を運用するプロの投資家のことです。債券市場の売買の大部分を占めます。向け(ホールセール)の社債・外貨建て債・銀行借入・CPまで含めた満期構成全体で管理されています。下の表は当サイトが捕捉している個人向け債の分だけなので、表に何もなくても、ホールセール債や外債の償還を個人向けの新発で借り換える形の発行は普通にあります。機関投資家側の投資枠が既発債で埋まっている発行体ほど、償還の受け皿を個人市場に求めやすい——つまり個人向けの発行はむしろ「調達全体の玉突き」の結果として出てくることが多い、というのがプロの見方です。その前提の上で、個人向け分の償還・初回コールの推定は以下の通りです(当サイト推定・確約ではありません)。
| 時期(推定) | 回号 | イベント | 年限 | 発行額 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年12月頃 | 363 | 償還 | 4 | 100億円 |
| 2028年12月頃 | 365 | 償還 | 5 | 50億円 |
この償還・コールが集中する時期の前後は、借換の新発債が出やすい局面の一つと読めます。ただし前述の通り、これは個人向け分だけを見た下限的な手がかりです。逆方向も同様で、表に償還があっても現金・ホールセール債・借入など他の手段で賄われることは普通にあります。新しい発行が公表されると、当サイトはトップページの募集中一覧に掲載し、個別解説ページを作成します。
人気の銘柄は募集初日に完売することが多く、口座開設には数日かかります。「発行が発表されてから口座を作る」のでは間に合わないため、個人向け社債に強い証券会社の比較を参考に、口座は先に準備しておくのが実務上の第一歩です。
関連記事:個人向け社債の平均利率の推移(全銘柄データ) / 社債の格付けとは
出所:各発行体・引受証券会社が発行体から債券をいったん買い取り、投資家に販売することです。引き受ける証券会社の集まりを引受団と呼びます。証券会社の公表情報を基に当サイト集計。条件決定投資家の需要を見ながら、仮条件の範囲内で実際の利率などが確定することです。日ベース(※印は発行日)。国債利回りは条件決定日の同年限の値(財務省「国債金利情報」=日本相互証券の引け値ベース。NC付きは初回コール年限、中間年限は補間)、スプレッド国債など基準となる金利への「上乗せ幅」のことです。発行体の信用リスクと流動性の対価で、社債の値段の本体といえます。 詳しく見る →=利率−国債利回り。2021年頃までのマイナス金利期は利率を絶対水準で決める「絶対値決め」が多く、その期間のスプレッドは信用リスク発行体が利子や元本を約束どおり支払えなくなるリスクです。債券投資の中心的なリスクで、格付けやスプレッドで値付けされます。の値段としては読めません。正確性・完全性を保証するものではありません。投資判断は必ず目論見書債券の発行条件やリスクを記載した法定の開示書類です。購入前に必ず交付されます。 詳しく見る →等の原資料をご確認ください。
