三井住友トラスト・ホールディングス 劣後債 第19回(2023年・利率1.149%)

プロの視点

三井住友トラスト・ホールディングスが2023年8月に条件を決定した個人向け社債です。年限10年(5年後に初回コール・10NC5)、利率 年1.149%(税引前)、発行額310億円、格付けA+(R&I/JCR)。
三井住友トラストの個人向け債はバーゼルIII対応のTier2劣後債B3T2銀行の自己資本規制で「補完的資本」に算入できる劣後債です。10年満期・5年後コール(10NC5)が典型で、実質破綻時には元本が毀損する条項が付いています。 詳しく見る →)で、目的は自己資本規制対応です。信託銀行グループとして資産運用・資産管理に強みを持ち、メガバンク3行に比べ知名度は一段落ちるのですが、その分だけ同格帯でわずかに厚めの利率が付くことがあり、劣後債発行体が破綻したとき、弁済の順位が普通の債券より後回しになる債券です。その分だけ利回りが高く設定されます。 詳しく見る →の比較検討では見逃せない発行体債券を発行してお金を借りる企業・政府・機関のことです。債券投資は「発行体にお金を貸す」ことにあたります。です。
発行された2023年は金利正常化の入り口にあたり、個人向け社債の利率水準と発行件数が切り上がり始めた時期です。条件決定投資家の需要を見ながら、仮条件の範囲内で実際の利率などが確定することです。日(2023/08/30)の初回コールまでの5年国債利回りは0.247%(財務省公表)で、本債の上乗せ(対国債スプレッド国債など基準となる金利への「上乗せ幅」のことです。発行体の信用リスクと流動性の対価で、社債の値段の本体といえます。 詳しく見る →)は+0.90ポイントです。劣後性のある商品は、同じ発行体の普通社債より上乗せが大きくなるのが通常です。なお同発行体の前回の個人向け債は2020年の第14回(10年(5年後に初回コール・10NC5)・0.53%)でした。同一年限で0.62ポイントの上昇は、発行体の変化というより金利環境の変化を映しています。
本債は劣後債であり、普通社債とはリスクの中身が異なります。初回コール日を実質的な満期として扱う商品設計の意味は、当サイトの解説記事(繰上償還の仕組みコールスキップ事業会社ハイブリッド債)とあわせてご覧ください。
主幹事は大和です。

基本情報

発行体: 三井住友トラスト・ホールディングス (全発行履歴を見る)

利率(年/税引前): 年1.149%(税引前)

償還期間: 10年(5年後に初回コール・10NC5)

発行額: 310億円

格付け: A+(R&I/JCR)

日程・取扱情報

取扱証券会社: (主幹事)大和

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