利率が高い「劣後債」って何?普通社債との違いと投資する際の注意点

個人向け社債のリストを見ていると、時々、他の社債と比べて特に利率が高い銘柄を見かけることはありませんか?

例えば、同じA格の会社なのに、普通社債が年1.0%なのに対して、もう一方は年2.0%といったケースです。

このような高利率の社債は、「劣後債(れつごさい)」である可能性があります。この記事では、その高いリターンの裏にある「劣後リスク」と、投資する上での注意点を分かりやすく解説します。


「劣後」とは「順位が劣る」こと

「劣後」とは、文字通り「順位が劣る」という意味です。

何における順位かというと、万が一その社債を発行した企業が経営破綻(倒産)してしまった場合に、お金を返してもらう順番のことです。

会社が倒産すると、残った財産を債権者(お金を貸していた人たち)で分け合うことになりますが、その分配には法律で定められた厳格な優先順位があります。

お金が返ってくる優先順位

  1. 銀行など(担保のある借金)
  2. 普通社債の保有者 ← 私たちが普段目にする多くの社債
  3. 劣後債の保有者 ← ★今回のテーマ
  4. 株式の保有者(株主)

このように、劣後債は普通社債に比べて返済の順位が低く設定されています。そのため、倒産時に会社に残っている財産が少ない場合、普通社債の分までは返済されても、劣後債の分は一部しか返ってこない、あるいは全く返ってこないという可能性が高くなります。


なぜ利率が高いのか?

利率が高い理由は、この「劣後リスク」を引き受けることに対する、投資家へのプレミアム(上乗せ金利)が支払われているからです。

企業側からすれば、普通社債よりも返済順位が低いため、財務的には株式に近い性質を持つ資金調達と見なされるメリットがあります。その代わり、投資家には高いリスクを取ってもらうことになるため、魅力的な高い金利を設定しているのです。


劣後債に投資する際の3つの注意点

高いリターンは魅力的ですが、劣後債に投資する際は、以下の点に注意が必要です。

  1. 発行体の信用力をより厳しくチェックする  普通社債以上に、発行体の倒産リスクが直接的な損失に繋がりやすい商品です。メガバンクや大手保険会社、優良な大手企業など、財務基盤が極めて安定している企業が発行するものに限定して検討するのが賢明です。
  2. 特殊な「トリガー条項」がないか確認する  特に銀行などが発行する劣後債には、「トリガー条項」という特殊な条件が付いていることがあります。これは、倒産する前でも、自己資本比率が一定水準を下回るなどの特定の条件(トリガー)を満たした場合に、強制的に元本が削減されたり、株式に転換されたりするというものです。目論見書などで、こうした特殊な条件の有無を必ず確認しましょう。
  3. ポートフォリオの一部に留める  劣後債は、資産の大部分を投じるような商品ではありません。リスクを正しく理解した上で、資産全体の一部でハイリスク・ハイリターンを狙う「サテライト」部分として、余裕資金で投資する商品と位置づけましょう。

まとめ

劣後債は、そのリスクを十分に理解し、許容できる投資家にとっては、高いリターンをもたらす魅力的な選択肢となり得ます。しかし、多くの初心者にとっては、まずは格付けの高い「普通社債」から投資を始めるのが安全で、おすすめです。

当サイトの一覧表でも、劣後債かどうかの情報を確認し、あなたの賢明な投資判断にお役立てください。

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