米国債の選び方——利付債とストリップス債、プロはこう使い分ける

米国債の選び方——利付債とストリップス債、プロはこう使い分ける 【外貨建て債】外債と売出債

外債投資の中心にあるのは米国債です。世界で最も取引量が多く、証券会社の既発債すでに発行され、市場で流通している債券です。証券会社の在庫から、募集を待たずにいつでも購入できます。 詳しく見る →ラインナップでも常に主役ですが、実は米国債には「利付債」と「ストリップス債利子の支払いがなく、額面より大幅に安い価格で買って満期に額面を受け取る債券です。複利運用が商品に内蔵されており、値動きは大きめです。 詳しく見る →(ゼロクーポン額面に対して毎年支払われる利子の割合です。債券の価格が変動しても、この率は変わりません。債)」という2つの形があり、性格がかなり違います。この記事では、両者の仕組みの違いと、目的別の使い分けを解説します。


利付債——半年ごとに利子を受け取る標準形

利付債は、半年ごとにクーポン(利子)を受け取り、満期に額面債券の券面上の金額で、満期に払い戻される基準です。債券価格は「額面100あたり」で表されます。償還満期を迎えて、額面のお金が投資家に払い戻されることです。される、債券の標準形です。ドルのキャッシュフローお金の受け取り・支払いの流れのことです。債券なら、定期的な利子と満期の償還金がこれにあたります。が定期的に入ってくるため、生活資金の足しにする、他のドル資産に再投資するなど、使い道の自由度が高いのが利点です。

一方で、受け取った利子を都度どこかで運用しなければ複利になりません。金利が下がっていく局面では、利子の再投資先の利回りも下がっていく——これを再投資リスクと呼びます。

ストリップス債——利子を切り離した「満期一括受取」型

ストリップス債は、利付国債の利子部分と元本部分を切り離して(STRIPS = 分離取引の仕組みに由来)、それぞれを単独のゼロクーポン債として売買できるようにしたものです。途中の利子は一切なく、額面より大幅に安い価格で買って、満期に額面を受け取ります。

たとえば残存20年・利回り4%台のストリップス債なら、額面100に対して40台の単価額面100あたりの債券価格です。98なら額面より2%安く買える状態(アンダーパー)です。で買える計算になります。複利運用が商品の中に組み込まれており、再投資リスクがありません。「20年後に子どもの学費で◯万ドル使う」「退職時点で◯万ドル作る」といった、将来の特定時点の金額を確定させたい目的と非常に相性が良い商品です。


最大の違いは「値動きの激しさ」

両者の最も重要な違いは、金利が動いたときの価格変動、すなわちデュレーション金利が1%動いたときに、債券価格が約何%動くかを示す指標です。残存期間が長い債券ほど大きく(=値動きが激しく)なります。 詳しく見る →です。ゼロクーポン債のデュレーションは残存年数とほぼ等しく、同じ残存年数の利付債より必ず長くなります(利付債は途中の利子で投資回収が早まる分、短くなります。仕組みの詳細はデュレーションの解説記事をご覧ください)。

残存30年のストリップス債なら、金利が1%動くと価格はおよそ3割動きます。これはもう「安全資産」の値動きではなく、株式並みです。実際、市場では「米金利がこれから下がる」という相場観を表現する投機的な手段として長期ストリップス債が買われることがあります。満期まで持てば額面で償還されるとはいえ、途中の評価額の振れ幅は事前に覚悟しておく必要があります。

使い分けの整理

利付債ストリップス債
利子半年ごとに受取なし(満期一括)
複利再投資は自分で行う内蔵(再投資リスクなし)
価格変動相対的に穏やか大きい(残存30年なら株式並み)
必要資金額面近辺割引価格(少額から大きな額面を持てる)
向く目的定期的なドル収入・インカム将来時点の金額確定・金利低下への投資

残存年数はどう選ぶか

出発点は「そのお金を使う時期に満期を合わせる」です。使う時期が決まっていないなら、満期を数年おきにずらして複数持つ「ラダー(はしご)戦略」が古典的な解になります。毎年どれかが償還されるため、その時々の金利で淡々と乗り換えられ、金利の当てものをしなくて済みます。

税制面は利付債・ストリップス債とも申告分離課税給与などと合算せず、一律20.315%の税率で完結する課税方式です。債券の利子・売却益・償還差益はすべてこれに当たります。20.315%・特定口座証券会社が損益の計算と納税(源泉徴収あり)を代行してくれる口座です。債券も株式と同じくこの口座で取引できます。対応で共通です。ストリップス債は途中の利子がないため、課税も償還・売却時にまとめて発生するという違いがあります。購入時の単価・経過利子利払日の間に既発債を買うとき、前回利払日からの日数分の利子を売り手に支払う精算金です。次の利払日に全額受け取れるので、損でも得でもありません。 詳しく見る →スプレッド国債など基準となる金利への「上乗せ幅」のことです。発行体の信用リスクと流動性の対価で、社債の値段の本体といえます。 詳しく見る →といった実務は既発外債の買い方の記事で、そして米国債投資の損益を最終的に支配する為替の考え方は為替リスクの記事で解説しています。

新発の個人向け社債をメールでお知らせ

新しい募集が公表された日・利率が決まった日・募集が始まった日の3回、条件の要点(利率・年限・格付け・募集期間・取扱証券会社)をメールで届けます。人気銘柄は初日に売り切れるので、募集開始の前に備えられます。配信は月に数回。いつでも解除できます。

確認メールをお送りします。メール内のリンクを開くと登録が完了します。

コメント